サミット閉幕
このサミットに対するオックスファムや「動く→動かす」の評価は、こちらをご覧ください。
【MDGsサミット】蜃気楼のようなMDGsサミット:オックスファムの見解
国連MDGsサミット閉幕:「動く→動かす」の見解
外務省としては、ODA全体の規模が一時期の半分程度まで減る中、教育や保健分野向けのODAを維持、若干増額に持っていくことは、かなり大変なことだったろうと思います。一方で、日本のこれら分野への貢献は絶対額で見ても、経済規模に対する負担で見ても、非常に低いままであり、政治のリーダーシップが問われます。
ここでいうリーダーシップとは、これまでのような「他人のために無理して出す」という考え方から、「この相互依存の世界経済の中で生きている日本にとって、貧困国の貧しい人々が健康で教育を受けられている世界の方が、そうでない世界よりも、安定、繁栄の展望が開ける」という積極的な思考への転換をし、開発問題の優先順位を上げるということです。
同じようなことは、今回の国連での首脳演説の中で、他の先進国首脳たちも、まるで母国の有権者に語りかけるように協調しています。
アメリカのバラク・オバマ大統領の演説(英語)
イギリスのニック・クレッグ副首相の演説(英語)
ただ、今回のサミットでの日本政府の動きを見ていて、残念に思うこともありました。
サミットでは、バン・キムン国連事務総長が呼び掛けた母子保健のためのグローバル戦略 "Every Woman, Every Child" を発表するイベントが大きな目玉の一つでした。
このイベントには、先進国政府、途上国政府、民間企業、NGOなどが集まり、それぞれの立場から母子保健の状況の改善のために取り組みを表明したのですが、日本は、ここで他国が発表した取り組みに比べても決して引けを取らない額の支援策を引っ提げてニューヨークに乗り込んだにもかかわらず、本会議場での菅総理の演説がなんとこのイベントの時間帯とぶつかってしまったのです。
しかも、その演説は世界中が注目するオバマ大統領の直後であり、各国の首脳たちや記者たちの中には、オバマについて会議場から出てしまう人たちもいました。
そのため、せっかくの発表も、Every Woman, Every Child とオバマ大統領の前に霞んでしまいがちでした。
ほかにも、革新的資金に関するイベント(詳しくは、こちら)でも、ヨルダンの王妃やフランスの外相などと壇上で並ぶ舞台であるにもかかわらず、途中で二国間会談のために中座し、また戻ってくるなど、この問題への意欲が見えづらい結果になってしまいました。
ここらへんは、大臣らの日程を組む官僚の皆さんが、こういった多国間外交の場で「しっかりと顔を見せて発信する」ことの重要性をしっかりと認識して、そちらを優先して組むようにしてもらいたいところです。
しかし、今回のサミットについては、いつもはあまり反応を示さない日本のメディアも比較的大きく取り上げていました。
特に菅演説については、 読売・産経、両紙がしっかりとした評価を社説に掲載しています。