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ATT国連準備委員会:議長の非公式文書


会議4日目の7月14日午前の本会議で、新しい議長非公式文書が配布されました。今回のペーパーは、第二回準備委員会で扱った適用範囲、移転許可基準や国際協力・支援の部分と、今回の準備委員会3日目までに扱った履行と最終条項(最終規定)の部分の双方について議長が再考したうえで、前文も含めた条約像の全体を扱うことになっていました。

6月の議長文書とあわせて、7月14日の議長文書を公開しているNGOメンバーがいましたので、「武器と市民社会」研究会のブログ(http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-61.html)でご紹介しています。会議日程などの情報や関連文書も、ブログからアクセスいただけます。

14日午後の本会議では、NGOのプレゼンテーションが行われました。それ以外の14日、15日の本会議は、新しい議長文書へのコメントを含む各国声明に充てられました。15日は午前の本会議のみで閉会する予定でしたが、コメントをしたい国があまりに多かったため、急遽、午後の本会議が追加されました。

新しい議長文書は、NGOとって残念な要素を含んでいます。例えば、前回のブログ記事であつかった、移転申請拒否に関する情報共有や報告についてのセクションは、新しい議長文書では丸ごと削られています。また、移転許可基準の部分には、国際人道法、国際人権法、持続可能な開発など、3月の議長ペーパーに含められていた許可基準が残っていますが、それら許可基準が書かれたセクションの冒頭は「輸出申請を許可する」という文言になっています。これは、輸入や積替、通過など、輸出以外の移転は、国際人道法や国際人権法等に関する許可基準に基づいて許可を判断しなくてもよいことになりかねません。ただし、新しい議長文書の他の部分では、「輸出」ではなく「移転」という言葉が使われており、用語の使用法に一貫性がありません。14日と15日の本会議でも、用語とそれらの定義に一貫性を持たせる必要があることを、多くの国が述べました。

今回の会議では、様々な意見の違いが見られました。例えば、欧米の多くの国は、狩猟やスポーツ用の銃を条約の適用範囲から除くよう強く求めました、これにたいして中南米の国々の多くは、そうした銃も犯罪や暴力に使用されていることを指摘し、ATTは禁止条約ではなく規制条約であり、狩猟やスポーツ用の銃の移転に際して厳格な許可をすることに何の問題もないことを主張しました。カナダは、弾薬の移転については報告しなくてもよい、持続可能な開発や汚職に関する移転許可基準を入れることには疑問である、輸入については許可基準に基づいて許可しなくてもよい、各国による履行に関する詳細な規定は要らない、事務局は最低限の機能を果たすものにすべきだ、移転許可を拒否した場合についての情報共有等に関しては疑問である、等のコメントを述べました。カナダの発言は、内容だけでなくトーンも非常に消極的・否定的であり、NGOの批判を浴び、カナダのメディアでもとりあげられました。

来年7月に4週間の交渉会議を迎えるまでに、公式な会議プロセスのなかで与えられているのは、来年2月の準備委員会のみです。今回の会議の閉会にあたり、モリタン議長は、手続き的事項について扱うことになっている来年2月の会議でも、条約の内容について議論する機会を設ける可能性を述べました。

現在のところ、新しい議長非公式文書を交渉のベースにするのかについては、コンセンサスがあるわけではありません。今後1年間、条約の内容のみならず、条約文書の交渉方法の選択についても、難しい交渉が待っています。

今週末は、NGO関係者はニュージャージーに移動し、NGO会議を開催します。各自が必要な部分のトレーニングを行うとともに、来年7月の交渉会議に向けた活動を話し合います。

(ポリシー・オフィサー)

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「コントロール・アームズ」のプレスリリースはこちら
加速する武器貿易条約(ATT)交渉(7月15日)
武器貿易条約(ATT)交渉再開:これからの一週間が重要局面(7月11日)

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2011年07月15日 13:07に投稿されたエントリーのページです。

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