会議2日目の3月1日は、条約に入れる可能性のある様々な項目のうち、条約の移転許可基準(parameters/criteria)を主に議論しています。会議日程などの情報や関連文書は、「武器と市民社会」研究会公式ブログ(http://aacs.blog44.fc2.com/blog-category-6.html)からアクセスいただけます。
今回の会議に向けて作成された議長ペーパーの移転許可基準の箇所は、よく推敲されていない部分が多く、NGOとしても細かい部分について沢山の要望があります。NGOは、朝8時台から本会議場の上の階のNGO用の部屋に集まり、修正を求める一つ一つの事項についての意見や認識を共有しました。
朝のNGO会議の様子
沢山あるポイントの一つを挙げれば、議長ペーパーには、「国際人道法及び国際人権法の重大な違反の遂行に使用される(Be used in the commission of serious violations of international humanitarian law and international human rights law)」相当なリスク(substantial risk)がある場合は武器の移転を許可しない、といった表現があります。
国際人権法「及び(and)」国際人道法の重大な違反、と表現すると、この両方に該当する行為に使用される場合に限られる可能性があります。また、ジェノサイドや人道に対する罪に関する箇所は、「容易にする又は遂行するために使用される(…be used to facilitate or commit)」という表現になっているのに対して、国際人権法・人道法についての箇所には「遂行」しか含まれず、状況が限定される可能性があります。例えば、兵器や兵士等の輸送に使われる兵器は、国際人道法や国際人権法の重大な違反の遂行のために直接には使用されませんが、そうした行為を容易にするために使用されます。NGOとしては、「国際人道法又は国際人権法の重大な違反を、遂行する又は容易にするために使用される(Be used to commit or facilitate violations of international humanitarian law or international human rights law)」という文言にすることを求めています。
この点を含めたNGOの様々な細かい要望については、午前の本会議前に私から日本政府のかたに伝えました。
午前の本会議で、日本政府の声明は、移転許可基準については注意深く考慮すること(careful consideration)が必要であること、移転許可基準の問題と履行の問題は密接に関係しており、どのように履行するかが重要な要素であること、移転許可基準について各国が履行するためのガイドライン等が必要であることなどを述べました。
他の国の声明では、議長ペーパーの一つ一つの箇所について、詳細な要望や意見、指摘などを述べる場面がしばしば見られ、上述の「国際人道法及び(and)国際人権法」についても、「及び(and)」を「又は(or)」に変えるべき等とコメントする国もありました。そうした国々に比べると、論争の多い「移転許可基準」分野に関しては、日本政府のコメントは概括的なものであったと言えます。
昨日からの記事では、この会議で議論している「2月16日の議長ペーパー」について書いていますが、現在、この文書は極秘(strictly confidential)ということになっています。昨年7月の第一回準備委員会の際には、会議場で配布された議長ペーパーやその他のペーパーを、NGOが即座にネットに掲載しましたが、それについて議長が不満を漏らしたとの情報もあります。今回の会議にあたっては、NGOは議長ペーパーについてブログやツイッターなどで意見を述べていますが、ペーパーの内容の全てをブログ等に掲載することはできず、ATTに関心があるNGO以外の方々との情報共有が制約されています。
昨年7月の第一回準備委員会で配布された議長ペーパーやその他のペーパーは、こちらの「武器と市民社会」研究会公式ブログ(http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-48.html)にも掲載しています。
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